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【抱え上げない】【持ち上げない】【引きずらない】
それがノーリフトケアⓇ
社会福祉法人山輝会では、2018年から一部の事業所でノーリフトケアⓇを介護場面に取り入れました。ノーリフトケアⓇという言葉を初めて聞く方も多いと思いますが、職員・入居者の双方にとって負担が少なく、非常にメリットが大きいケア手法です。
介護に関わる職員は法人にとって大きな財産であり資本です。職員を腰痛から守るためにも「腰痛=職業病」と捉えず、組織を上げて予防に取り組むことが重要です。
また、ポジショニング・シーティングとセットで取り組むことで、ご利用者の「褥瘡」「拘縮」の緩和と予防効果も増し、当法人でもそのことを実証してきました。
こちらでは山輝会が実践しているノーリフトケアⓇの一部を成果とともにご紹介しています。
ノーリフトケアⓇは、リフトやボードなどの福祉用具を使うことを指しているわけではありません。そして、福祉用具を使うことでご利用者の能力を奪ってしまうことでもありません。
ノーリフトケアⓇでは、職員とご利用者双方が「安全」「安心」「安楽(負担軽減)」に過ごせることが本来の目的です。ご利用者の自立支援につながらない福祉用具の使用は、ノーリフトケアⓇが求めている「安全」「安心」「安楽」ではないのです。
ノーリフトケアⓇでは、「押す・引く・持ち上げる・ねじる・運ぶ・人力のみで行う介助」を禁止しています。
【参考】一般社団法人 日本ノーリフト協会
ご遺体はケアの通信簿と言われるように、当法人ではご利用者の最期をきれいなお姿でお見送りしたいと考えています。その為には摩擦や筋緊張を伴う「抱え上げる介助」「持ち上げる介助」「引きずる介助」を無くし、拘縮・褥瘡を招く間違ったケアの見直しが必要でした。
そこで、ポジショニング・シーティングに加えてノーリフトケアⓇを介護場面に取り入れました。
移乗介助ではスライディングボード、ベッド上での上方移動にはスライディングシートを使い、介助によって生じる摩擦や筋緊張を最小限に抑える介助を行います。
スライディングボード
スライディングシート
更に、ポジショニングクッション等を使い、踵・仙骨・肩甲骨などにかかる圧を分散させ(体圧分散)、全身の力が抜ける状態へともっていきます。
身体の緊張が和らぎ、リラックスしている様子が分かります。拘縮や褥瘡は不適切なケアが引き起こしていると言っても過言ではありません。
私たちは常にその時代に求められる介護スキルの獲得を目指しています。
ポジショニング前
ポジショニング中
ポジショニング後
介護の仕事を続けたいけど腰痛で休業や退職を余儀なくされるという方は多いのではないでしょうか。
我々山輝会ではノーリフトケアⓇに取り組み始めてから腰痛による退職者が減ってきており、将来的には、腰痛での退職者ゼロを目標に取り組んでいます。
令和2年度の「業務上疾病発生状況等調査(厚生労働省)」でも発表されているように、腰痛によって4日以上休業する者が全産業の中でも保健衛生業が圧倒的に多いという結果が出ました。
少子高齢社会を迎えた日本において、介護の担い手は大変貴重な存在です。
介護職員の腰痛を当たり前にせず、ご利用者にサービスを継続的に届けられるよう、そして何より職員達が好きな介護の仕事を長く続けられるように引き続きノーリフトケアⓇに力を入れていきます。
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